
新華社 南京大、ジカウイルスを抑制する新治療法を発見
24日、南京大学で実験中の呉稚偉教授(手前)。(南京=新華社配信)
【新華社南京11月30日】中国の南京大学(江蘇省南京市)は27日、同校の呉稚偉(ご・ちい)教授が率いるチームが、細胞から分泌される細胞外小胞を用いたジカウイルス感染症に対する新たな薬物伝達技術(ドラッグデリバリーシステム、DDS)を開発したと明らかにした。研究成果はこのほど、国際学術誌「Molecular Therapy」に掲載された。
ジカウイルス感染症は2015~17年に南米や東南アジアなどで大流行した。論文の筆頭著者、同校博士課程の張瑞介(ちょう・ずいかい)氏によると、同ウイルスは妊婦が感染すると新生児に小頭症やギラン・バレー症候群を引き起こす可能性があるが、現時点で予防ワクチンや治療薬は承認されていない。

新華社 南京大、ジカウイルスを抑制する新治療法を発見
24日、南京大学で実験中の呉稚偉チームの学生。(南京=新華社配信)
研究チームは、ジカウイルスを抑制する低分子干渉RNAを搭載した細胞外小胞を設計。妊娠中のマウスにウイルスを感染させ、新たな細胞外小胞を投与して治療を行った。治療を受けたグループでは、母マウスの胎盤と子宮、胎児マウスの頭部で明らかなウイルス抑制効果が見られたほか、出生後一定時間飼育した子マウスも小頭症の症状が有意に緩和され、ウイルスによる神経の損傷や炎症も若干軽減された。

新華社 南京大、ジカウイルスを抑制する新治療法を発見
24日、南京大学の呉稚偉教授(左から3番目)と研究チーム。(南京=新華社配信)
呉氏は「われわれが設計した細胞外小胞は脳内の神経を正確に識別できる。薬剤の利用率は向上し、潜在的な副作用も軽減される。これは胎児の発育に極めて重要だ」と指摘。「ジカウイルスに感染した妊婦に対しては、このようなドラッグデリバリーシステムが今後、新たな治療法の一つになる可能性がある」と語った。